地方のフリーペーパーの編集。トータルで約8年勤務。49歳、年収は300万位

紙媒体(フリーペーパー)で、業界自体は縮小傾向です。広告が主な収入源ですが、年々売り上げが落ちています。お給料は何かにつけて削られるのみ。ボーナスもスズメの涙程度…。

仕事はIT技術の進歩でより簡単・楽になりました。

 

AIの時代でも広告には人間にできる仕事はある

2018 10 26 23h59 31 - フリーペーパー業界の将来性は暗いが、紙媒体はAIにできないこともある

フリーペーパーをはじめとする紙媒体の仕事が、AIによって代替されるという事実は否定しません。

 

記事はダブルクリックで流れていくし、レイアウトもある程度自動化が進んでいます。写真の処理も手補正より、パソコンの自動補正の方が、よりきれいな場合もあります。

この仕事、上記に書いた所までは、AIにとって代わられるかもしれません。

 

むしろ、ヒューマンエラー的な事はなくなるわけで、精度が上がりそう。

 

しかし! 「クリエイティブ」な部分はどうでしょう。AIは人間を超えられるのでしょうか?

まず、「見出し」付けがあります。

これは記事のリード部分のみならず、全体をじっくり読み込み、読者に一番「わかり易く・響く」であろう、組み合わせを考えます。数人の編集者が居れば、皆様々に付けてくるわけです。

 

癖や個性も出てくるので、「ああ、この見出し、あの人が付けたな」等、同僚であればわかってしまいます。

これは、AIには真似出来ないのでは? 出来たとしても「負けてない!」自信は持っていたいです。

そして、「写真のトリミング」。漠然とした風景写真や、園児がぞろぞろ映り込んでいるような人物写真等、一見、パッとしない写真データが、日々どどどっと、送り込まれて来ます。

 

それを読者に記事と合わせて、どう魅力的に切り取るかは腕の見せ所です。

 

表情のよい子に視線が行くように、手足が切れないように、心配りしながら写真のカット(トリミング)をして行きます。これも、経験値とセンスが必要なので、AIより人間の方が辛うじてでも上をいくかも。

そして、「全体のバランス」。色合いと記事、写真の大小等、読みやすく、魅力的なレイアウトを、単調になることなく、日々こなしていく作業。

 

AIも作業自体はある程度出来るでしょうが、人間味のある「また読みたい!」と思わせるような紙面構成は、人間にしか出来ないのでは…と思いたいです。

 

紙媒体の仕事は完全になくなるわけではない

 

近い将来、「紙媒体」自体無くなるという人も居ますが、どうでしょうか。新聞紙の、少し湿り気を帯びたさらりとした質感と、インクの匂いがたまらなく大好きというマニアックな人間は、この業界に多数います。

中高年の方々は、新聞の切り抜きをせっせとしているし、いくらペーパーレスと言っても、紙で残しておきたいものってありますよね。そんなわけで、この業界、細々かもしれませんが、きっと生き残れると思います!

しかし、業界は残っても、未来の職場がAI編集者だらけだったら、味気ないです。朝の情報番組等に呼ばれる、名物AI編集者とか出て来たら、何か見たくないですよね?

やっぱり、大切なのが、「人間らしさ」だと思います。根性とかプライドとか、偏った愛情だとか、紙面を面白くする為に多少なりとも大切だと思います。

あと、「人間に厚みを持たせる」事も重要だと思います。

まだ20代の頃、当時の編集長に、「どんどん無駄な事をしろ! 遊びも一生懸命やれ! それが自分を育てていって、やがていい仕事に繋がるから」と言われていました。

また、「会社に籠るな。1~2時間昼休み取って外の景色を見て来い。そうすれば仕事がマンネリ化せず、いいアイデアが生まれるから」とも言われていました。

 

編集長自体かなり強烈な個性の持ち主だったので、なかなか自分の事としては受け取れず、やや、聞き流し気味でしたが。

年を重ねるにつれ、その言葉の意味をしみじみ噛みしめました。(結局、それは編集長のオリジナルの言葉ではなかったのですが)。

 

「遊びも一生懸命」は、好きな事に打ち込めば、その分野に強くなれるし、映画を観たり、美術館に行ったり、カフェめぐりや、飲み屋のはしご…なんかも、とことん突き詰めれは、知識が血肉になるんですよね。

「会社に居るな、外に出ろ」これも、つくづく実感しています。

 

デスクでうんうん唸ってても出なかったアイデアが、外に出てよい景色を見たら、空から降ってくるみたいにひらめいたり。

 

給料は安くても広告やフリーペーパーの仕事はやりがいがある

2018 10 26 23h59 46 - フリーペーパー業界の将来性は暗いが、紙媒体はAIにできないこともある

今の職場は、紆余曲折、色々な経験を積んだ、個性的な人々が集まっています。私自身も、フリーペーパー業界の前は証券マンでした。何となく仕事が合ってないんじゃないかと思い始めた頃、新聞の求人で今の職場を見つけました。

子供の頃、本が好き、絵を描くことが好きで、「将来はそういう関係の仕事がしたい」と、漠然と抱いていた夢を思い出しました。

 

はっと思い立ち、応募、採用試験、面接、合格…と、気づけばとんとん拍子に事は進んで、27歳の転職でした。お給料は随分減ってしまいましたが、仕事は楽しくてしょうがなかったですね。

それから約8年、職場では日々、あーでもない、こーでもないと議論を戦わせて、険悪なムードになったかと思えば、赤ちょうちんで一杯呑んで、上司と肩を組んで歌っている…という、何だか昭和の匂いの一場面が有ったり等、日々仕事をしています。

 

これが昔ながらの紙媒体の良さなんです。

もちろん、若手なんかは、某コーヒーのCMのような、スタイリッシュな働き方をしている人達も居たり。

 

それぞれが「個性」を大切にして、老いも若きも淡々と、又は、汗して涙して働いています。
この仕事が大好きで、よりよい紙面を作りたいと思っているから、楽しく生きがいを持って続けられるんだと思います。

どちらかというと、実は体力勝負みたいな所もあるので、好きな事をとことん突き詰めたいという人に、ぜひ、お勧めしたい業界です。

 

変な人(良く言えば個性的でキラキラした人)が沢山居ますよ!

 

日々刺激を受けながら、成長出来ます。

紙媒体の仕事はAIの情報量やスピード、正確性には到底かなわないでしょう。でも、味わいのある紙面づくりは、「人間チーム」でなければ、出来ないと思います。

新しい発想で、業界を盛り上げていってもらいたいです!出来れば、もっとお給料が良くなるように! 革命児求ム!

私もあれこれ、一生懸命考えて行きたいと思います。もし今からフリーペーパー業界に飛び込みたいのなら安月給は覚悟して下さい。

 

ただ、ロボットにはできない楽しみが広がっていますよ?

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