
教育業界で進路アドバイザーをしています。勤続年数は1年未満、年収は300万の26歳です。
今の業界に転職してまだ約半年、といったところですし、部署が異なることもあり、まだ詳しいことは何も聞かされていないというのが現状ではありますが、我が社も現時点で実際にAIの導入に向けた研究がなされているようです。
そういった意味では、ただでさえ少子化により業界としても縮小の一途、他の事業に手を伸ばす会社も増える中で、AIまでもが進出してくるということになれば、極論今の業界に将来性はない、といえるかと思います。
ただ、私自身は、人と人との関わりを学べる最初の登竜門が、学校や塾という場所だと考えているので、そこから大人が減る、またはいなくなるというのはあり得ないかなと思っています。
今回はなぜ少子高齢化で将来性が危ぶまれるこの道を私が選んだのか?
その視点について書きたいと思います。
AIが導入されても人が人に伝える仕事は残っていく
人は人からしか学べないことっていうのがたくさんあると思うんです。自分の学生時代を振り返ってみても、それは同年代の友人や先輩後輩からだけでなく、学校の先生や塾の先生からも多くのことを学びながら育ってきたと実感しています。
だから私はこの教育業界に参入しました。私を今の姿にしてくれたのは、両親はもちろんのこと、まぎれもなく学校の先生や塾の先生だったし、私も自分が学んできたことや経験を活かして幸せな人を増やす仕事がしたい、と思ったからです。
確かにAIには間違いや分からないこと、忘れることが人間より少なくて、日本全国どこにいても全員一律の教育が受けられるなど、メリットがあるのかな、というイメージもあります。
でも、やっぱり何か教えたり褒めたり注意したり、何をするにも、特に子どものうちは対AIより対人の方がいいと思うんです。
全員一律の完璧な教育を受けたって、受け手である学生の学習に対する積極性次第で成績や人となりは左右されます。人はひとりひとり違うので、同じことを言われても受け取り方が違うという普遍の事実がそのことを大いに示してくれています。
例えば、スーパーのレジがすべてAIにとって代わられるのだとすれば、なおさら教育業界には生身の人間がいて、子どもたちと接してあげるべきだと思います。
なので、他の仕事や業界がAIでなくなるならば逆に教育業界の人間のニーズは増えるのではないでしょうか。
やっぱりロボットに育てられた人間って想像しただけでも怖くないでしょうか?
AI時代に教育業界に人間に求められているものとは?
今の時代求められているのは人間だからこそできる教育サービスを提供することです。正しい入試情報を提供してあげることや受験を考えている学校の情報を提供してあげることは、たぶん私よりAIの方が確実です。
すべての最新情報を常に100%頭に入れておくことなんて、きっと何十年教育業界に従事していたって到底無理です。
でも、たとえその提供する最新の入試情報や受験校の情報が時間をかけて調べた情報だったとしても、その情報を基にひとりひとりに向けてベストな指導ができるのは、AIではなく人間かなと思っています。
なので、小さなことかもしれませんが、ひとりひとりに必ず笑顔で人間らしい温かみのある挨拶をすることから始め、生徒たちと積極的にコミュニケーションをとることで打ち解け信頼を得て、とにかくひとりひとりの子を思った話ができるアドバイザーでいること常々心がけています。
一部AIのロボットに代用される仕事は増える
ただ、私自身教育業界にAIは必要ないかと言われれば、そうではないかなと思っているところもあるんです。
というのも、現状として、我が社では教材をプリントで用意するときに、コピー機のボタンを押して操作しているのは私たち人間です。
また、新規顧客を募集するために配布するチラシを折って、袋詰めしたりするのも私たちです。
ご家庭に保護者会や休校日のお知らせをするための月一回のお便りを印刷して、折って、束ねて封筒に入れ、宛名のシールを貼って封を閉じるのも人間です。
こういった単純作業はAIに任せたほうがいいのではないかと思っています。
人間の手作業だとどうしても、どれだけ注意を払って作業していても、一枚入れ忘れるなどのエラーが発生したり、枚数を誤ってプリントを刷りすぎたりといったミスが発生してしまいますし、こういった作業に時間を取られるのはもったいないかなと思っているので。
教育業界とAIの関わり方は今後どう変わっていく?
教育業界に限らず、人と人が関わる仕事ならばある程度何だって、人間がやるからこそメリットがある、という部分があると思うんです。
それを、人間がやる意味を持たせるのか、AIでいいんじゃないかと考えて適当にやり過ごすのか、その差なのかな、と。
後者の働き方をするのであれば、なんでもAIでいいと思うんです。
教育業界で言うならば、別に授業をAIがやったっていいし、受験校をAIに相談したっていいし、どうやって勉強したらいいかなってAIに相談すればいいんです。
後者の働き方をしている人間よりはAIのほうがずっと有益な授業や回答を提供してくれるのではないでしょうか?
結局、人それぞれ向き不向きがあって、適材適所に配置されて仕事をしているように、AIにはAIに向いた仕事があって、人間には人間にしかできない仕事があると思っているので、AIと真っ向勝負する、みたいなのはちょっと違うのかなと、思います。
私という人間だからこそ生まれるアイデア、あなたという人間だからこそ思いつくやり方、そういうものをうまく共有していきながら、人と人が関わりあってモノやサービスを展開していく姿勢というのは変わらないというか、変わるべきではないと思います。
AIに支配される人間にはなりたくありません。むしろAIに支配されたい人間なんているんでしょうか。立派なお偉いさんにも支配されたくないと思うことさえあるというのに!(笑)
だから、あなたにしかできない何かが将来生み出せるように、とにかくいろんな経験をし、自分の興味や感情に従って、やりたいことや学びたいことを積極的に取り入れていったらいいと思います。
たとえこれは絶対役に立たないだろう、と思えるような経験や学びでも、のちのち生きてくることがあるなと、私自身もすでに実感していることがたくさんあるので!自分の人生は自分だけのものです!
好きな仕事で全力投球し、それでAIに負けたら、次の仕事を探せばいいと思いませんか?