副業として、オンラインで語学教師(日本語)をしています。勤務形態はフリーランスです。勤続年数は3年ほどになります。
都内在住で、普段は企業で事務職をしております。
今回ここで書きたいのは、語学教師の職についてです。主にオンライン上で生徒を集め、外国人に日本語を教えています。フリーランスとして様々なオンライン日本語学校に登録し、お仕事をさせていただいています。
【 オンライン語学業界の問題点 】
- オンライン上で生徒を募集するため、生徒が集まりづらい
- 世界中の楽手者を幅広く受け入れるため、国籍、年齢や目的等、それぞれのニーズがバラバラであり、教案作成に時間を要す
- 基本的に学生が多いため、授業料を高く設定できない
オンライン教育の将来性は?
オンライン上の語学教育における将来性としては、今後の需要は右肩上がりだと考えます。
特に、高齢化に伴う外国人雇用の拡大が進む日本において、日本語教育における需要は尚更右肩上がりだと思います。
現在日本では、オンラインで学習のできる英会話教育が山ほどあり、価格競争も激しいです。
語学教育の一番の目的は対人とのコミュニケーションであるため、AIに置き換わってしまうということはないと考えます。
さらに言えば、教育関連に関しては、教師の需要が減るということはないと思います。
現時点で、各分野における教育者の数は足りず、その中でも特に、国の支援が行きわたっていない日本語教師に関しては、全然足りていないのが現状です。
この期に及んで、ボランティアとして日本語を教えている人が大半を占めています。
何より、日本語教師の給与は、作業に見合ったものではありません。今後、確実に外国人労働者の受け入れ幅が広がり、特に、介護、看護職に従事させるためには専門用語を取得させるための教師が必要となります。
他にも、一般企業の採用において、日本語能力試験N1取得は絶対条件とする企業は格段に増えると予想します。
それゆえ、日本語教師の需要が減ることはなく、国としては教師を育てるところから、益々力を入れていくと思います。
採点業務には一部AI自動化も導入されるが問題も多い
もし、教育の分野においてAIを導入するとなれば、採点の自動化等が主流になっていくのではないでしょうか?
ただし、語学に関しては、正確な答えというのはなく、回答の幅が広いため、自動採点だけでは個別能力を測れないのが現状です。
例えば、論文には正解というものが存在しないことや、ロールプレイ能力を図ることはできないといった点です。
マークシート式の回答に関してはAI導入できるものの、記述式の採点にAIを導入することは難しいですし、実際のコミュニケーション能力を図る採点もAIにはできないと考えます。
よって、将来的に語学教育に関してAIに取って代われてしまうということはないと考えます。
語学教育業界の仕事がAIに奪われないようにすべきこと
どんな分野においても言えることですが、AIに取って代わられてしまわないようにするためには、人にしかできないことは何かを考えて行動していくことだと思います。
個人的な策としては、なぜ世の中無料の語学勉強アプリがたくさんあるにもかかわらず、わざわざ面識もない教師(他人)から、対面の授業を受ける必要があるのかを、学習者個人に考えさせることが重要だと考え、AIにはできないことを教えるようにしています。
語学の世界には、その言葉によって相手がどう思うかを考えさせる、言動に関する授業がたくさんあります。
例えば、ビジネスにおいて、受話器を置くときにガチャっと音を立てておくのではなく、相手が電話を切ってから受話器を置く等、言葉と共に、行動も一緒に教えます。
そのような指導というのは、AIには絶対に真似ができないことです。
AIの自動翻訳機にはできないことを考えるべき
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将来的に、自動翻訳機等がたくさんでてくると思いますし、今後ますます国際的になっていけば、国際会議等で自動翻訳があたりまえになると思います。
しかし、自動翻訳機だけではなぜ事足りないのか、なぜ私たちはビジネスのために他国の言葉を学ぼうとするのかをたどっていくと、そこには必ず人に対する真心があることが考えられます。
自分の口から、自分の心の声を伝えることに意味があるということを、どのようなニーズを持った学習者も、皆持っています。
性能のよい自動翻訳機が活躍するようになれば、会議はスムーズに進むと思います。
しかし、最後の一手で、相手の国の言葉で、たった一言「ありがとう」を伝えるだけで、印象は格段によくなると思います。
口から発する言葉には、文字にはない様々な感情がこもっています。
それをどのように表現するかを学ぶのが、真の語学教育だと考えます。
それゆえ、AIにとってかわられないようにするために、教師自身が偏見なく、相手の文化を受け入れ、対等に接していくことが何よりの策だと思います。
生身の教師であるからこそできることを、常に考えて行動する必要があります。
今後も生き残れる語学教師ってどんなタイプ?
日本語教育をはじめ、語学の世界に興味を持つ方というのは、きっと海外旅行が好きだったり、外国人の友達がいたり、何か海外に興味がある人なのではないかと思います。
実際に、私も留学をしたときの経験が、この仕事に携わることとなった大きなきっかけです。
日本語教師というと、「英語で日本語を教えるのは難しそうですね」、などとよく言われます。
しかし、日本語教師は決して英語が流暢でなければ携われない仕事ではありません。なぜかというと、日本語を学びたい学習者は、決して英語の達人ばかりではないからです。
現在日本語学習者の多くを占めるのは、主にアジアの学生です。
そのため、英語をまったく話せない学生も非常に多いです。
また、何より日本語教師自身が、公用語や母語ではない言葉で日本語を上手に教えられるはずがありません。
日本語教師として活躍するために準備をするのであれば、英語や外国語を学ぶより、自身の日本語力を鍛える方がはるかに重要です。
冒頭にも書きましたが、皆さんは海外が好きですか?
私は大好きです。そこに、偏見はありません。
ここ最近、ニュースでは各国の醜い争いごとなどもたくさん報道されています。そのようなとき、「あの国はイヤだ」と思うこともあると思います。
しかし、日本語教師として、あの国の学生には優しくしない、などということは絶対にできませんし、何より、学習者は国ではなく個人です。
そのことを十分に理解し、個人として学習者に教育をしなければなりません。語学レベルが高い授業ともなれば、様々なテーマでディスカッションをする授業も多くなります。
その時、その教室には、宗教観の違う学生もいれば、ステレオタイプな性格の学生もいます。
さて、みなさんならどのように授業を進行しますか。これを考えることを楽しめる人は、日本語教師に大変向いていると思います。
あなたの業界の意見お待ちしています!